サッシ上部からの雨漏り被害を調査｜バルコニーに施された「FPR防水」の特性とは？

今回、雨漏り調査のご依頼をいただいたのは、杉並区下井草のお住まいです。
お客様は、サッシ上部からの浸水に大変お困りのご様子でした。

お話しをお伺いいたしますと、雨の強い日のみ雨漏りが発生するとの事です。
まずは、浸水が発生している窓回りから調査を進めていきます。

サッシ回りの調査

こちらが、今回雨漏り被害が生じているサッシ回りです。

木製の枠組みやクロスにはこれと言って浸水被害を確認出来ませんでしたが、油断はできません。
浸水は窓サッシ回りだけでなく、その上部から発生している可能性もあります！

続いて、サッシ回りの浸水状況を確認するため赤外線カメラによる調査を行います。

 

赤外線カメラによる調査

一般的に、浸水箇所は付近と比較して温度が低くなる傾向にあります。
赤外線カメラはこうした温度変化を可視化する事で、内部の浸水状況を調査する事を可能とします。

こちらが、サッシ廻りを赤外線カメラで撮影した画像です。
画像には温度分布が色で表現されており、青色や緑色は比較的温度が低い部分、黄色や赤色は温度が高い部分を示しています。

そうした中、サッシ上部に不自然に青色で描写された部分があり、この場所こそ内部で浸水が生じている個所です。
画像の状態から、雨漏りはサッシ回りの上部から発生している可能性が高い事が分かりました。

浸水箇所の上部に位置するバルコニーの調査

浸水箇所の上部にはバルコニーが設置されており、床面にはFRP防水が施されていました。

FRP防水は、ガラス繊維などの補強材と不飽和ポリエステル樹脂を組み合わせて形成する繊維強化プラスチック（FRP）による防水工事の一種です。
継ぎ目のないシームレスな防水層を現場で短期間（1日程度）で施工可能で、強靭な防水層を形成する事が出来ます。

しかし、一方で柔軟性に乏しく、建物の動き追従しにくい事でひび割れを生じやすい点がデメリットとなります。

付き出しサッシの下部でFRP防水のひび割れを確認

バルコニー全体を見渡す限り特に問題ありませんでしたが、付き出しサッシの下部を覗いてみますとFRP防水のひび割れを確認しました。

こうしたひび割れは、雨水の浸水を引き起こすリスクが非常に大きいです。
また、雨が強い日のみに雨漏りが発生するとの事でしたが、おそらく「サッシ下部に吹き込む状況」でのみ浸水が発生していたと推測できます。

浸水した雨水は先ほど確認したサッシ回りに流れ着きますが、その浸水経路である住宅構造部にも悪影響を及ぼします。
腐食やカビの発生の原因にもなる為、放置は出来ません！

ピンポイントに浸水原因を特定する「散水試験」をご案内

今回の調査では、FRP防水のひび割れから浸水が生じている可能性が高い事が確認できました。

しかし、よりピンポイントに浸水原因を特定するためには実際の浸水状況を確認する事が一番です。
そこで、散水試験による調査をご提案させていただきました。

散水試験は、浸水の疑いがある箇所に散水を行う調査方法です。
雨漏りの発生を疑似的に再現できることから、非常に高い調査精度を誇ります！

「雨漏り専門赤外線・非破壊検査.com」でサッシ回りやベランダ・バルコニーなど、お住まいで発生した様々な雨漏り調査・修理の実績を豊富に持っております。
赤外線カメラ・散水試験など雨漏り調査に特化した調査方法にもご対応可能ですので、お電話・専用メールフォームにてぜひお気軽にご相談ください！