工事のきっかけ
今回ご相談いただいたのは、多摩区栗谷にある3階建て戸建て住宅のお客様です。
深夜から大雨となった日に、2階の天井から突然雨漏りが発生し、とても不安な思いをされたそうです。
しかも、上部はバルコニーになっており、過去にも修理歴があるとのことで、お引っ越し前から何度も雨漏りを繰り返している状態でした。
そこで、必要な修理内容と見積もりも含めて弊社にご相談くださいました。
まず室内で、以前の調査時に設けられた点検口を開け、天井裏の状態を調べていきます。
実際に開口部周辺を見ていくと、木部の一部に雨水の影響を受けた痕跡が見られ、天井面にも雨染みが現れていました。
今回のように点検口がある住宅では、内部の確認がしやすい一方で、再発している場合は表面的な補修だけでは止まっていないケースが少なくありません。
まずは室内側の症状を丁寧に見て、どこから水が回ってきているのかを探るところから調査を進めました。
バルコニー掃き出しサッシ下部のシーリング劣化を確認
続いて、雨漏り箇所の真上にあたる2階バルコニーへ移動し、掃き出しサッシ周辺を細かく点検していきます。
すると、サッシの端部や取り合い部分でコーキングが切れたり剥がれたりしており、隙間ができている状態でした。
こうした部分は一見わずかな傷みに見えても、風を伴う大雨の際には水が押し込まれやすく、建物内部へ浸入する入口になってしまいます。
特に、サッシ周りのコーキング剥離が明確に見られたことから、ここが有力な原因箇所だと判断しました。
過去に補修歴があっても、劣化部を正しく押さえられていないと再発につながるため、慎重な確認が欠かせません。
原因を確定するため、サッシ周辺に対して散水試験を行いました。
雨漏り調査では、見た目だけで断定せず、実際に水を当てて再現性を確認することがとても重要です。
今回も、疑わしい範囲を順に絞りながら散水を進めたところ、サッシ周りに水をかけたタイミングで室内側に変化が現れました。
つまり、表面の防水層やバルコニー全体ではなく、サッシ周辺の取り合い部に問題が集中していると考えられます。
散水試験で漏水を再現できたことで、やみくもに広範囲を工事するのではなく、必要な補修箇所を明確にしたうえで施工方針を立てられる状態になりました。
散水後、室内の点検口から天井裏を再確認すると、短時間で水の浸入が見られました。
これは、散水した水が比較的直接に建物内部へ回っていることを示しており、浸水経路が複雑に分散していない可能性が高い状況です。
天井裏の木部付近には水が伝った形跡があり、過去から繰り返し湿気や水分の影響を受けていたこともうかがえました。
雨漏りは、見えているシミだけで判断すると原因を外してしまうことがありますが、点検口内部で漏水を直接確認できると、調査の精度がぐっと高まります。
お客様にも現状をご説明し、原因箇所を共有したうえで補修内容をご提案しました。
さらに、赤外線カメラを使って天井面の温度変化も点検しました。
水分を含んだ部分は周囲と温度差が出やすく、目視では分かりにくい浸水範囲の把握に役立ちます。
画像上でも、点検口周辺に周囲と異なる反応が見られ、散水試験で再現した水の動きと一致する傾向が見られました。
こうした機器調査を組み合わせることで、単なる推測ではなく、根拠を持って原因箇所を絞り込めるのが赤外線調査の強みです。
弊社では、赤外線カメラと散水試験を併用し、再発を防ぐための調査を大切にしています。
今回も、補修すべき場所を明確にしたうえで次の施工へ進みました。
調査で原因箇所を特定できたため、補修工事ではサッシ下部から取り合い部にかけて養生テープを施工しました。
養生は単に周囲を汚さないためだけでなく、コーキングの施工幅をそろえ、仕上がりを安定させるためにも欠かせない工程です。
特にサッシまわりは見た目にもよく目に入る部分ですから、防水性能だけでなく美観にも配慮しながら進める必要があります。
こうした下準備をきちんと行うことで、このあとのプライマー塗布や充填作業の精度も上がり、密着性の高い補修につながるのです。
養生後は、コーキングを充填する前にプライマーを塗布しました。
プライマーは下地とコーキング材をしっかり密着させる接着の役割を持っており、この工程を省いてしまうと、せっかく補修しても早期の剥がれや浮きにつながる恐れがあります。
今回のようにサッシと外壁材、下地の取り合い部は素材が異なり、動きも出やすい場所です。
細かな隙間まで塗り残しが出ないよう確認しながら作業し、後から充填するコーキング材がしっかり性能を発揮できる状態を整えました。
下処理が完了したら、劣化していたサッシ周りの取り合い部に新しいコーキング材を充填していきました。
隙間の奥までしっかり材料を入れ込むことが重要で、表面だけをなぞるような施工では再び水の通り道が残ってしまいます。
今回もノズルの当て方や充填量を調整しながら、空気を噛まないよう丁寧に施工しました。
サッシ端部は雨水が集まりやすく、風雨の影響も受けやすいポイントのため、少しの施工不良が再発の原因になりかねません。
だからこそ、浸入口を確実にふさぐ充填作業を意識し、疑わしい隙間をしっかり埋めて防水ラインを再構築しました。
最後に、充填したコーキング材を専用ヘラで均し、厚みと形状を整えて仕上げました。
この押さえ作業には、見た目をきれいに整えるだけでなく、材料を下地へ密着させながら余分な空気を抜き、防水層としての性能を安定させる役割があります。
施工後は養生を外し、補修ラインが適切に納まっていることを確認して完工となりました。
今回のようなサッシ周りの雨漏りは、原因をつかめれば補修範囲を絞って対応できるケースも多くあります。
今回の多摩区栗谷での事例では、2階天井の点検口まわりに現れていた雨漏りについて、室内確認・バルコニー側の目視・散水試験・赤外線カメラ調査を組み合わせて原因を絞り込みました。
その結果、再発を繰り返していた大きな要因は、掃き出しサッシ周辺のコーキング剥がれであることが分かりました。
雨漏りは、シミが出ている場所と実際の侵入口が一致しないことも多いため、闇雲に直すのではなく、まず正確に調べることが何より大切です。
弊社では、原因を見極める無料調査を大切にし、必要な補修を分かりやすくご案内しています。
何度も雨漏りを繰り返してお困りの方、どこに相談すればよいか迷っている方も、どうぞお気軽にご相談ください。