工事のきっかけ
今回、練馬区のお客様から「ベランダの床が腐食していて、中から全部やりかえないといけないかもしれない。開けてみないと分からないと思うが、そのような工事は対応できますか?」とのご相談をいただいたことが、工事のきっかけです。
見た目だけでは傷みの範囲を判断しにくく、雨漏りや下地の腐食がどこまで進んでいるのか不安に感じているとのことでした。
そこで現地へ伺い、赤外線カメラを使った調査と目視確認をあわせて行ったうえで、必要な補修方法をご提案する流れとなりました。
バルコニー下の軒天に大きな漏水跡が出ていないかを確認
まずはバルコニーの真下から建物の状態を確認します。
軒天全体に大きなたわみや剥がれ、目立つシミは見られず、直下に強い漏水症状が表面化している状況ではありませんでした。
ただし、軒天に異常がないからといって安心はできません。
バルコニーの防水層が傷んでいても、漏水がすぐ下へ現れず、壁内や床下地に回っているケースもあるためです。
外観上は比較的きれいに見えましたが、見えない内部の傷みを見落とさないよう、次の調査を進めました。
こちらは同じくバルコニー下を別角度から調査した様子です。
近くから見ても軒天表面には著しい変色や膨れはなく、一見すると問題が少ないように感じられます。
しかし、雨漏り調査では表面に症状が出ていない段階こそ注意が必要です。
特にバルコニーは防水層・笠木・サッシまわり・排水まわりなど、複数の取り合いがあり、どこか一箇所が切れるだけでも内部へ水が入り込みます。
私たちはこの段階で安易に「漏れていない」とは判断せず、赤外線カメラによる温度分布の確認も行いました。
赤外線カメラで温度差を確認し、漏水の広がりを慎重に調査
赤外線カメラで点検したところ、軽度な温度差は見られましたが、軒天側への明確な漏水反応は現時点では見られませんでした。
これはひとつの安心材料ではありますが、同時に「被害がない」という意味ではありません。
実際には、バルコニー床面の防水層に不具合があり、そこから浸入した水が床下地側に影響していることがあります。
赤外線調査は、目視では確認しにくい温度分布の変化を把握するうえで有効で、目視だけでは判断しにくいケースでも、補修範囲を検討する大切な材料になります。
次にバルコニーの床面を点検すると、全体として経年による傷みが進んでいました。
表面材が敷かれているため下地の状況まではこの段階で断定できませんが、歩行時の感触や端部の状態から、床下地にも劣化が生じている可能性が考えられました。
お客様がもともと防水工事をご検討されていたこともあり、単なる表面補修ではなく、必要に応じて床を開口し、下地の確認と張り替えまで視野に入れたご提案が必要な状況でした。
見える部分だけきれいにしても、内部が弱っていては長持ちしません。
床と壁の取り合い部分にひび割れや隙間が生じていました。
こうした箇所は雨水が入り込みやすく、特にゴミや砂がたまりやすい場所では水が滞留し、劣化がさらに進みやすくなります。
今回も防水層のひび割れが多数見つかり、単なる表面の汚れではなく、防水機能の低下がはっきり表れていました。
放置すると、床材の裏へ水が回って木下地の腐食を進め、踏んだときのたわみや、最終的には雨漏りにつながる危険があります。
そのため、防水工事とあわせて下地のやり替えをご提案しました。
傷んだ床を撤去し、床下地を張り替えて土台から立て直し
調査結果をもとに工事をご用命いただき、まずは既存の傷んだ床材を撤去して、バルコニーの下地を点検しました。
やはり内部には劣化が見られたため、表面だけの補修ではなく、床下地の張り替えを実施しています。
新しい下地を納める際は、今後の防水層がしっかり密着し、排水方向も適切に取れるように納まりを整えることが大切です。
下地づくりが不十分だと、どれだけ良い防水材を使っても性能を発揮しにくくなるため、見えなくなる部分ほど丁寧に施工しました。
下地を整えたあとは、ウレタン防水材をしっかり密着させるためにプライマーを塗布しました。
プライマーは防水工事の仕上がりを左右する重要な工程で、塗りムラや塗り残しがあると、後の防水層に浮きや剥がれが出る原因になります。
私たちはローラーで均一に塗り広げ、端部や入隅など細かな部分も処理しました。
こうした見えない下準備をきちんと行うことで、防水層の耐久性が高まり、長く安心してお使いいただけるバルコニーへつながります。
通気シートを施工し、下地にこもる湿気への対策も実施
バルコニーでは、下地の張り替えを伴う工事だったため、通気シートを施工して湿気対策も行いました。
木下地を使用する部位では、内部に残った水分や湿気の影響を受けやすいため、通気を考えた防水仕様が有効です。
通気シートを入れることで、下地からの湿気による防水層の膨れを抑えやすい構成にし、下地と仕上げの両方を守りやすくなります。
雨漏り修理では、ただ塞ぐだけでなく、再発しにくい理屈に基づいて施工することが大切です。
長持ちさせるためのひと工夫を重ねながら進めました。
ウレタン防水材で継ぎ目の少ない防水層を形成(二層塗り)
下準備が整った後は、ウレタン防水材を施工していきます。
ウレタン防水は複雑な形状のバルコニーにもなじみやすく、継ぎ目の少ない一体的な防水層をつくれるのが特長です。
今回のようにサッシまわりや立ち上がり、室外機まわりなど納まりに注意が必要な場所でも施工しやすく、細部まで防水層を連続させやすい工法です。
厚みを確保しながら均一に仕上げることで、ひび割れや隙間からの浸水リスクを抑え、安心して使える床面へ整えていきました。
トップコートで仕上げ、防水層を紫外線や摩耗から保護
最後にトップコートを塗布して仕上げました。
トップコートは見た目を整えるだけでなく、ウレタン防水層を紫外線や日常の摩耗から守る役割があります。
バルコニーは日差しや雨風の影響を直接受けるため、仕上げの保護層まで含めて防水性能を維持することが大切です。
全体を均一に塗り重ね、端部までしっかり仕上げることで、防水層を長く守れる状態に整えました。
床下地からやり替えたうえで防水まで施工したことで、腐食対策と雨水対策を同時に改善できた工事となりました。
今回の練馬区での工事では、ベランダ床の腐食が心配とのご相談をきっかけに、赤外線カメラ調査と目視調査を組み合わせて状態を確認しました。
軒天には大きな漏水跡こそ見られませんでしたが、床面の防水層にはひび割れが多く、取り合い部の劣化も進んでいたため、そのままでは下地の腐食がさらに進むおそれがありました。
そこで私たちは、床下地の張り替えから通気シート、プライマー、ウレタン防水、トップコートまで、必要な工程を一つひとつ施工しました。
雨漏りは表面だけ見ても原因が分かりにくいことが多いため、赤外線カメラを活用した調査も、原因を探るうえで重要です。
雨漏り専門赤外線調査.comでは、こうした見えにくい不具合も含めて無料調査でしっかり点検し、お住まいの状況に合った修理方法をご提案しています。
ベランダの床の傷みや防水の劣化が気になる方は、どうぞ早めにご相談ください。
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